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科目の概要

情報技術の発展とともに、それは、私たちに多くの恩恵をもたらしている一方で、トラブルや犯罪の発生など負の側面もある。この科目では、情報倫理の基礎から始め、情報通信社会の進化、メディアリテラシー、情報技術とセキュリティ、インターネットと犯罪、個人情報とプライバシー、企業と情報倫理等、様々な角度から情報倫理のあり方と関連する法について学修する。

科目情報

履修想定年次
1年次
単位数
2単位
開講Q
2Q、4Q
科目区分
選択必修(主要)
授業の方法
オンデマンド科目
評価方法
確認レポート 50% , 単位認定試験 50%
科目コード
BSC-1-B1-0204-002
到達目標
本科目の学修を通じて、受講生は、現代社会における情報通信技術がもたらす光と影を理解し、情報倫理の重要性を理解し、他者を尊重し、それに関連する法的知識を身につけて、適切に行動できる能力を獲得することができるようになることを目標としている。
教科書・参考書
  • 高橋慈・原田隆史・佐藤翔・岡部晋典『【改訂新版】情報倫理ネット時代のソーシャル・リテラシー』技術評論社、2020年
授業時間外の学修
各回の授業内容は繰り返し見返し、各回二時間ほど復習を行ってください。また、次回の学修内容についてもあらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebで調べるなどして各回三時間ほど予習を行ってください。
特記事項
順次公開予定

授業計画

1
情報倫理とは

はじめに倫理について概観する。そして、その応用としての情報倫理についての重要性、範囲について学ぶ。

2
情報通信社会とその進化

人は古来より情報を扱ってきた。近年、科学技術の発展により人が扱う情報の量、質、手段が変化してきた。ここでは、科学技術の発展とともに、情報の伝達がどのように変化してきたかを学ぶ。またそれに伴う社会の変化と情報の4つの特性を確認する。

3
ネット時代のコミュニケーション

コンピューターネットワークは、私たちの社会に大きな影響を及ぼしている。ここでは、インターネットをとりあげ、その変遷を確認するとともに、情報発信の種類やコミュニケーションを行ううえでのマナーについても確認する。

4
メディアの変遷

メディアがどのように変遷してきたかについて学ぶ。音声による通信から、文字情報、画像、映像への進化を確認する。さらに、マスメディアによる一方向の伝達から、インターネットによる双方向の伝達への変遷と社会の変化を確認する。

5
メディア・リテラシー

現代に生活する私たちは、日々、多量の情報を受け取る。そのあふれる情報を全て把握することは困難である。私たちは、あふれる情報の中から、何を選択し、どのように利用すればいいのだろうか。ここでは、日々あふれる情報について、メディアごとの特徴と、受け取り手としての能力について検討する。

6
情報技術とセキュリティ

現代に住む私たちは、日々、パーソナルコンピュータやスマートフォンを利用している。そこには、私たちに関する属性情報や作成した文章、写真などが保存されている。そのコンピュータやスマートフォンをネットワークに接続すると、脅威(例えば、中のデータが盗まれるなど)が生じる。どのような危険性があり、どのように防止していくのかについて学修する。

7
インターネットと犯罪

インターネットは非常に便利である反面、犯罪も存在する。ここでは、インターネットなどサイバー空間における代表的な犯罪について学修する。これは、犯罪の手口を知ることにより、私達自身が犯罪にまきこまれないようにするためである。

8
個人情報とプライバシー

プライバシー情報の重要性や個人情報保護法、マイナンバー制度について学修する。また、オープンデータの利活用や他者のプライバシーを尊重することの重要性について学修する。

9
知的所有権とコンテンツ

日本における著作権の基本的考え方についての理解を深め、著作権の保護期間、保護対象について学ぶ。また、著作権について国による違いを確認する。

10
企業と情報倫理

企業は社会を構築する重要なプレイヤーの一つである。企業は利益をあげるために何をしてもよいというわけではなく、社会を構成する重要な役割を担っていることを意識し、行動することが求められる。そのための考え方や、内部統制をはじめとした仕組みについて学修する。また、企業で働く社員一人ひとりの倫理について確認する。

11
科学技術と倫理

科学技術の進展は、人間社会に富をもたらしたと同時に、その利用法により多くの課題点ももたらしている。現代社会の私たちは、科学技術の光と影を理解し、上手にコントロールしていくことが求められる。ここでは、科学者、技術者に求められる倫理を学修し、適正な科学技術の利用について検討する。

12
ビッグデータとAIの倫理

コンピュータ技術の発展に伴い、人類は、今までにない、大量のデータを利用し、計算できるようになってきた。その結果、人工知能(AI)の研究と利用が身近なものとなってきた。当然ながら、AIは完璧なものではなく、人がその課題点と限界を知り、上手に利用することが求められる。ここでは、人工知能の課題、限界、そして、プライバシーの扱いについて学修する。

13
デジタルデバイドとユニバーサルデザイン

デジタル技術は、私達に多くの利点をもたらしている。その一方で、コンピュータ機器やネットワークを使っていない人々との間に情報の格差が生じている。また、従来、情報技術は、大多数の人が使うことを前提に設計されてきた。しかし、社会には、なんらかのハンディーキャップを持つ人も多くいる。そのような人々にとっては、使いにくいデザインとなっていることが少なくない。例えば、人は、年を重ねると細かな文字がみにくくなったり、細かな操作が難しくなる。ここでは、多くの人が使えるためには、どのような配慮をし、設計すべきかについて学修する。

14
SNSと情報モラル

現在では、SNS(Social Networking Service)を用いて、コミュニケーションを行う機会が増えてきた。それに伴って、SNS上でのトラブルも発生している。ここでは、トラブル事例とともに、他者を尊重する考え方、フィルタリングの利用について学修する。

15
情報通信社会とリテラシー

情報技術は日々進化をとげており、これからも当面、進展が続く。その一方で、人間身体の進化、社会の進化は緩やかである。ここでは、進化の方向性を確認するとともに、私たちは、どのような考えに基づいて、この変化の時代を活かしていくことが良いのかについて検討する。

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