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現代社会とサイエンス

[2025年度開講]

科目の概要

現代人にとって身近な技術や問題に関心を持ち、それらの背後に潜む科学技術について学ぶことは、私たちの生活をより理解しやすく、かつ豊かにするために欠かせない要素である。現代社会を支える技術は日進月歩で進化しており、これらの技術を理解し活用することで、より効率的で持続可能な生活が実現できる。また、地球温暖化などの環境問題も、私たちの生活に深く関わっている。これらの問題に対処するためには、その原因や影響を理解し、科学技術の力を活用して解決策を見つけ出すことが不可欠である。このように、身近な技術や問題について学ぶことで、私たちが直面する課題に対処し、より良い未来を築くための知識と力を身につけることができる。

科目情報

履修想定年次
1年次
単位数
2単位
開講Q
2Q、4Q
科目区分
選択必修(主要)
授業の方法
オンデマンド科目
評価方法
確認レポート 50% , 単位認定試験 50%
科目コード
BSC-1-B1-0204-006
到達目標
広範な科学技術の研究開発現場を「見る」ことにより、抽象的な科学技術の概念を「具体的な何か」として実感してもらいたい。それにより、将来、学生が社会に出た際に、さまざまな科学技術に対して、「わからない」「自分とは関係ない」という態度ではなく、身近で具体的なものとして関わることができるようになってほしい。また、この授業を通じて、巷で流布されている根拠のないデマなどを見抜いて対処できる思考力を身につけてもらいたい。
教科書・参考書
  • 【教科書】オリジナル教材【参考書】江守正多『地球温暖化の予測は「正しい」か?―不確かな未来に科学が挑む』、化学同人、2008/神立尚紀『図解カメラの歴史ダゲールからデジカメの登場まで(ブルーバックス)』、講談社、2012/経済産業省『エネルギー白書(2023年版)』、日経印刷、2023
授業時間外の学修
各回の授業内容は繰り返し見返し、各回二時間ほど復習を行ってください。また、次回の学修内容についてもあらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebで調べるなどして各回三時間ほど予習を行ってください。
特記事項
順次公開予定

授業計画

1
ガイダンスと座談会

そもそも現代社会におけるサイエンスとはなにか。なぜ、社会と密接に関係するサイエンスを学ぶ必要があるのか。他の教官をゲストに座談会形式でこの授業の意義について学生に考えてもらう。

2
エンターテインメントの陰にサイエンスあり1

現場取材を通じて、CGや動画の背後にある半導体や数学の世界を学ぶ。数学や物理がないとアニメのキャラは動かせないという基本事実を認識してもらう。

3
エンターテインメントの陰にサイエンスあり2

現場担当者へのインタビューを通じて、動画配信、映画配信、そもそも情報通信のしくみはどうなっているのかを学ぶ。誰もが親しんでいる動画の背景に数学的な分析や戦略があることを知ってもらう。

4
エンターテインメントの陰にサイエンスあり3

物理演算がゲーム制作でどのように使われているか、物理現象を数式で表せている事実がゲームのリアリティ追求にどれほど貢献しているか、実際のゲームプレイを通じて体感するとともに、背後にある物理学の基本知識を身につけてもらう。

5
医療を支えるサイエンス1

レントゲン、CTスキャン、MRIなどの物理学を理解した上で、現代社会における幅広い応用を紹介。身近なところに物理学が使われていることを知ってもらう。

6
医療を支えるサイエンス2

ふだん、あまり縁のない創薬の世界の実情を知る。特に、ワクチン、mRNA、ips細胞といったキーワードを理解する。

7
医療を支えるサイエンス3 (脳科学の世紀)

なぜ脳科学が急速に発展しているのかを理解し、自分や自分の回りの人々と脳科学の関係に気づいてもらう。

8
素材と材料のサイエンス

リチウムイオン電池、燃料電池、水素関連技術などを知ることにより、現代社会における「蓄電」の重要性と課題を学ぶ。

9
日本のカメラ技術

ものづくり日本の象徴であるカメラ産業の盛衰を概観する。 特に、一眼レフのフィルムからデジカメへの移行、そして手ぶれ補正などの最新技術に触れる。 授業を通じて、現代の日本が抱える科学技術の課題と展望を知る。

10
農林水産業とかかわるサイエンス

植物工場への取材を通じて、日本の「食糧」が抱える課題や将来の展望を知る。地球温暖化などと同様、日本にとって、食糧問題が避けて通れないことを認識してもらう。

11
エネルギーとサイエンス1

産業経済の基礎にはエネルギーがある。世界の戦争の多くは資源争奪戦であり、エネルギーの重要性を深く認識することが大事である。水力発電、火力発電、原子力発電、再生可能エネルギーそれぞれのメリットとデメリットを知る。

12
エネルギーとサイエンス2

火力発電と地球温暖化、原子力発電の課題と将来、エネルギーミックスの必然性などを学ぶ。

13
気候とサイエンス

地球温暖化の進行に伴った各地での極端な気象現象の結果、干ばつ、洪水、土砂崩れといった災害が頻発するようになった。 いったいどうすれば被害を最小限に食い止めることができるのだろうか。 この授業を通じて、地球温暖化を緩和するにはどのような方策が適当か各自考えてもらいたい。

14
宇宙とサイエンス

宇宙論の基礎を概観した後、アポロ計画からアルテミス計画まで、宇宙産業について学ぶ。火星は地球化できるのかといったSF的な未来についても考えて欲しい。

15
サイエンスとテクノロジーの未来

未来予測は8割ハズれるという科学史の統計がある。当たる2割はコンピュータ分野に限られている。しかし、その2割も、今後は当たるかどうかわからない。急激な人工知能の発展を概観し、将来の世界がどうなるかを考えてもらう。

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