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科目の概要

地域には観光集客、農業振興、中心市街地の活性化、子育てなどさまざまな課題がある。この授業では、各地の事例を手掛かりに地域が抱える課題を理解し、またそれを解決する方法について学ぶ。 なお、地域の再生の主役は人である。誰かが課題を直視し、仲間を募って解決に挑む。企業の協力を得たり、行政の補助金をもらったり規制の見直しを働きかける。この授業では課題の構造分析、利害調整、交渉、関係者(ステークホルダー)の共感取り付けと巻き込みなど、実際に課題の解決に挑む人の視点に立って地域を変えていく方法を考える。

科目情報

履修想定年次
1年次
単位数
2単位
開講Q
2Q、4Q
科目区分
選択必修(主要)
授業の方法
オンデマンド科目
評価方法
確認レポート 50% , 単位認定試験 50%
科目コード
BSC-1-B1-0204-015
到達目標
学修を通じて自分の住む町、あるいはよその町で地域の人々が直面する幅広い課題についてその本質が何か、原因を含めて理解できるようになる。また課題を放置すると将来、どうなるかを見通し、それを回避する手段をおおよそ想像できるようになる。さらに課題解決に向けて人、組織、資金をどう動員すべきかイメージできるようになる。
教科書・参考書
  • 山崎亮『コミュニティデザイン』学芸出版社、2011年上山信一『政策連携の時代』日本評論社、2002年、田村明『まちづくりの発想』岩波新書、1987年
授業時間外の学修
各回の講義内容は繰り返し見返し、各回二時間ほど復習を行ってください。また、次回の学習内容についてもあらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebで調査しよう。
特記事項
順次公開予定

授業計画

1
イントロダクション

全体のオリエンテーションとして地域にはどのような課題があり、解決するとはどういうことか講師の体験例も交えて紹介する。また授業の全体像と学修方法を説明する

2
イメージトレーニング:地域を元気にするとはどういうことか

ニュータウンやまちおこしの具体例とそこで活躍する人々の姿を知ることで具体的に地域を変える、 活性化させるとはどういうことかイメージを得る。

3
高校や大学から地域を活性化する

地域にある大学や高校には内外から若者が集まり、また企業や行政、医療など様々な地域の団体 や専門家が活動する拠点である。今回は教育の場としての役割を超えて学校が地域活性化で果たしうる役割を事例を通じて考える。

4
文化と芸術、スポーツの力による地域活性化

美術や音楽、スポーツは組織や年齢性別などの垣根を越えて人と人を繋ぎ、また感動体験をもたら す。スポーツは地域の連帯感を高め、社会関係資本(ソーシャルキャピタル)の形成にも役立つ。今回は文化芸術スポーツが地域の力を引き出し、また外部の人材やエネルギーをもたらす効果につ いて芸術祭、美術館、スポーツ大会の例に触れつつ学ぶ。

5
農林水産業で域外から収入を得る

農林水産業は地産地消の原点であり食糧の自給は国全体にとっても重要な産業である。今回は農林水産業に付加価値をつけ域外からの外貨獲得に成功している例を参考に地域の一次産業や地場産業が持続可能となる方策を考える。

6
地域で子供を育てる

地域の将来を担う子供の数が減っている。少子化の中で全国の自治体が子育て世帯の誘因や支援をしている。今回は少子化の原因と対策を考える。

7
地域の助け合いと社会関係資本

幸せで豊かな暮らしには、経済力に加え地域の人間関係や助け合いの風土が欠かせない。今回は地域の共助のありかたを「社会関係資本」の考え方を手掛かりに考える。

8
商店街、空き店舗の活性化

商店街や市場はものの売買だけでなく地域の人々が集い、交流する場所である。ところが大型モー ルの発展や鉄道の衰退で弱体化している。今回は商店街の社会的意義と存続の可能性、その方策を考える。

9
観光をテコとした活性化

観光客は飲食、買い物、宿泊を通じて地域に”外貨”をもたらす。また観光名所になることで知名度も上がり誇りに思う気持ちも生まれる。今回は地域に観光がもたらす可能性を事例に即して考える。

10
土地と建物の活かし方

各地で空き店舗、古民家、銭湯をオフィスやカフェなどに改造して人を集め近隣活性化に繋げる事 例がある。今回はそれを仕掛けるストリートアントレプレナーの仕事について学ぶ。

11
地域の交通問題

バスや電車など公共交通のあり方は街の姿を大きく変える。マイカーは便利だが中心市街地の空洞化につながり、CO2を排出し、高齢者の足になる路線バスの衰退につながる。今回は暮らしを支える交通について考える。

12
どうやって資金を調達するか

今回は地域を変える活動の資金集めについて考える。起業の場合は出資を募り、金融機関の融資を受ける。NPO活動には自治体からの補助金や業務委託やクラウドファンディングなども使える。

13
行政機関との連携

地元の役場や市役所は予算とスタッフを抱えて地域の課題に取り組んでいる。さらに議会が支援と監督をしている。今回は地域活動をする上で避けられない行政機関との連携と協調のやり方を学ぶ。

14
どこから始めてどう広げるか

今回は受講者が実際に地域の課題を掘り起こし、解決していく場合の思考と行動の手順を学び、 「ローカルアントレプレナー」とはどういうものか理解を深める。

15
まとめ

今回は全体のまとめとして実際に受講者が暮らす街を題材に何が課題か、自分で何かやるとしたらどうするか考えることを通じて、授業全体で学んだことの定着をめざす。

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