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科目の概要

学びを自分の力にしていくためには、どの分野であれ「情報」を「編集」する基礎力が必要になる。学びにとどまらずあらゆる思考や活動の基盤となり、社会で活躍する人材にとっての必携技能である「編集力」を、演習を交えながら実践的に鍛えていく。編集工学の技法を習得し、世界知に分け入る方法とツールを手にすることで、ZEN大学での学びをより深める環境を、学生ひとりひとりの内面に整える。

科目情報

履修想定年次
1年次
単位数
2単位
開講Q
1Q、3Q
科目区分
選択
授業の方法
オンデマンド科目
評価方法
確認レポート 50% , 単位認定試験 50%
科目コード
HUM-1-C1-1030-001
到達目標
すべてを「情報」として捉える目を養い、情報は「編集」可能であることを理解する。編集工学の技法を基に情報編集の「型」を習得し、教科等の分野を横断しながら自由に思考できる実践的な編集力を身につける。また、テクニカルな編集技能にとどまらず、世界の見方を自在に更新していける編集的世界像を獲得する。それによって、既存の型にはまった見方を脱し、独自の視点で異ジャンルの学びをまたぎながら探究する力をつける。
教科書・参考書
  • ・『才能をひらく編集工学』安藤昭子(ディスカヴァー21,2020)・『情報の歴史21』松岡正剛・編集工学研究所(編集工学研究所.2021)・『ほんのれん百考本(仮)』2024年刊行予定
授業時間外の学修
各回の講義内容は繰り返し見返し、各回二時間ほど復習を行ってください。また、次回の学習内容についてもあらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebで調べるなどして各回三時間ほど予習を行ってください。
特記事項
前提科目 なし 後継科目 なし ※実務家教員担当科目 2025年4月1日現在。内容が更新される場合があります。

授業計画

1
「世界が変わる編集力」 introduction

なぜ「編集力」を学ぶのか。大学の学びにとどまらず、社会で生きる力の土台となる編集力について、前提を共有します。また、編集工学研究所や授業のベースキャンプとなる「本楼」の紹介もします。

2
「情報」を「編集」する warmingup

私たちを取り囲む「情報」について理解し、編集の基本的な考え方を学びます。実際に手を動かして「お題」を問きながら、編集する感覚を掴むウォーミングアップです。

3
世界が違って見えてくる:アテンションとフィルター、関係発見力

自分の思考の癖を自覚し、新たなものの見方をするための「編集の型」を修得していきます。無自覚に持っている「フィルター」の存在を自覚し、違った視点でものを見られるようになります。

4
情報は多面的:情報の「地と図」、環世界

情報の「地(分母)」と「図(分子)」の構造を理解し、情報は常に多面的であることを理解します。その上で、どの面から情報を見るかの自由度を獲得します。

5
マンガで3A:アナロジー、アブダクション

編集力を飛躍的に伸ばすコアメソッド「3つのA」をまなびます。ここではアナロジー(類推力)とアブダクション(仮説形成力)について、マンガを素材に使いながら紐解いていきます。

6
マンガで3A:アフォーダンス

「3A」のもうひとつアフォーダンスについて学びます。編集は頭の中だけで起こるものではなく環境との相互作用の中で発露するものです。ゲストとの対話を通して「柔らかな考え方」としての編集力を学びます。

7
本を使って対話する:探究型読書、世界知編集(ほんのれん)

本を活用することで、一気に思考を広げたり深めたりすることができます。いわゆる「読書」とは違った思考の道具としての本の扱い方を学びます。

8
歴史を横断してみよう:『情報の歴史』活用術

世界の「知」にいかに」アクセスし、自分なりの見方や解釈によって編集する方法を学びます。世界同時年表『情報の歴史21』を活用して、世界と自分を結びなおすお題に取り組みます。

9
“らしさ”の正体:略図的原型、らしさ

「らしさ」や「っぽさ」、論理ではなく感覚で捉えるような、分析的思考では捉えきれない情報の扱い方を学びます。「略図的原型」という型を透して、情報を柔らかく捉えます。

10
はじまりとそもそも:アーキタイプ連想

「らしさ」や「っぽさ」、論理ではなく感覚で捉えるような、分析的思考では捉えきれない情報の扱い方を学びます。「略図的原型」という型を透して、情報を柔らかく捉えます。

11
日本流イマジネーション

ここまでで学んだような編集力を、日本人は古来さまざな文化を通して発露してきました。そうした日本的編集力・編集的日本力と、世界に誇る日本流イマジネーションを探索します。

12
江戸のクリエイティビティ

日本的編集力の後編として、江戸文化に着目します。現代から未来へ生きる日本の方法としての江戸に、研究者・アーティスト・職人等の視点を通して出会っていきます。

13
21世紀を生きる編集力

11,12で見てきた日本的編集力が、これからの世界においてどういった役割をになるかを考えます。松岡正剛の「日本という方法」に学び、これまでに学んだことも振り返りながら、21世紀を生きる上での編集力としての日本を考察します。

14
仮説的に書く:アブダクティブ・ライティング(Abductive Writing)

自分の考えを表現し、次の対話や探究を生み出すような文章の書き方を学びます。仮説的文章術・アブダクティブライティングとして、書きながら論点を発見していく文章術を修得。今後のレポートや学習に活用できます。

15
振り返りとこの先へ

ここまでの授業を総ざらいしながら、学んだことを自分なりに総括する演習として、アブダクティブ・ライティングに取り組みます。編集力は人を自由にすることを確認し、これからの学びや人生に向けて再装填します。

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