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科目の概要

線形代数1では、線形代数の基本的なコンセプトとその理論的背景、そしてそれらがどのように幅広い分野に応用されるのかについて学んでいく。ベクトルの基本操作、行列の演算、連立方程式の解法、基底や次元などの概念を扱い、直交化法やQR分解なども学ぶ。また、線形計画法やゲーム理論についても触れることで、線形代数の幅広い応用力を身につけることを目指す。

科目情報

履修想定年次
1年次
単位数
2単位
開講Q
1Q、3Q
科目区分
選択
授業の方法
オンデマンド科目
評価方法
確認レポート 50% , 単位認定試験 50%
科目コード
MTH-1-C1-1030-004
到達目標
線形代数1を修得すると、ベクトルの基本操作や行列の演算、連立方程式の解法、基底や次元などの概念を理解し、直交化法やQR分解なども学び、それを活用できる。これにより、情報技術や社会の基盤となる数理への理解が深まる。また、線形代数を用いた多様な分野への応用力を身につけることで、現実の課題解決に対する視点を広げ、より高度な数理的思考とそれを活用する能力が身につくことを目指す。
教科書・参考書
  • 【教科書】オリジナル教材【参考書】線型代数[改訂版](長谷川浩司/日本評論社)2015、線形代数基礎と応用(新井仁之/日本評論社)2006
授業時間外の学修
各回の授業内容は繰り返し見返し、各回二時間ほど復習を行ってください。また、次回の学修内容についてもあらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebで調べるなどして各回三時間ほど予習を行ってください。
特記事項
順次公開予定

授業計画

1
ガイダンス

直線の方程式や平行四辺形の面積を学び、線形代数の基礎を理解する。さらに、線形代数の具体的な応用例を体験し、その重要性を感じ取る。

2
空間ベクトル

空間ベクトルの基本的な理解から深い理解を目指す。平面の方程式、直線の方程式に始まり、内積と射影、線形変換、平行六面体の体積を通じて、より複雑な概念を理解する。

3
行列

行列の基本を理解し、その算術を学修する。行列の和とスカラー倍、ベクトルとの積、行列同士の積、転置といった基本操作を通じて行列の特性を体得する。

4
行列式

数学における行列式の理解を深める。連立方程式と行列式の関係性や、体積と行列式の関連性を学ぶ。多重線形性や交代性、行列式の基本性質について理解する。また余因子展開の手法を学ぶ。

5
グラフと行列

数学の一部門であるグラフ理論を学修し、グラフの隣接行列や接続行列、ラプラシアン行列などの理解を深める。隣接行列のべき乗や接続行列と閉路の関連性についても考察する。

6
連立方程式と行列

掃き出し法を始めとする連立方程式の解法を学ぶ。さらにLU分解法を学び、解が一つでない場合の考え方も理解する。

7
逆行列

逆行列の基本的な概念と求め方、その性質を理解し、列ベクトルの一次独立性との関係を深く学ぶ。

8
行列の階数

連立方程式の解空間から始めて、簡約階段形、列ベクトルと階数、小行列式と階数について深く探求する。最後に階数の性質について全体を通してまとめる。

9
線形計画法

最初に、線形計画法の基本的な概念を理解する。標準形や単体法の手法を学修し、具体的な問題解決に応用する能力を養う。さらに双対問題を捉え、その解釈を学ぶ。

10
行列とゲーム理論

行列ゲームの導入から始まり、ミニマックスと均衡、混合戦略、線形計画法に至るまで、行列とゲーム理論の関係を学び、双対性定理の応用を身につける。

11
内積

ベクトルの内積から始まり、正規直交系、直交行列と対称行列、エルミート内積まで学ぶ。さらに、ユニタリ行列とエルミート行列の理解を深める。

12
離散フーリエ変換

フーリエ変換の基礎から高速フーリエ変換まで、幅広く学修する。線形代数の理論がどのように応用されるかを理解する。

13
射影行列と一般化逆行列

平面への射影から射影行列まで、射影行列と一般化逆行列について詳しく学修する。最小二乗解の理解を深め、それらの関連性を掴む。

14
直交化法とQR分解

グラムシュミットの直交化法やQR分解の理論と応用を学ぶ。ハウスホルダー行列によるQR分解の手法も学び、それらの応用を学ぶ。

15
数値計算とまとめ

コンピュータを用いた行列の計算手法について学び、線形代数の理論が様々な分野でどのように応用されているかについての理解を深める。

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