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科目の概要

本科目では、今日の視点に立った「IT産業史」を取り上げ、ネット、モバイル、IoT、AIへと連なる21世紀の我々の生活や社会に合致した歴史観を理解させる。日本がITの世界で何をなしえたかを検証することで、我々が、今後も応用可能となる製品戦略やビジネスモデルへの理解を促し、これからの時代を生き抜くすべての人が当たり前に知っているべき教養としてのITの歴史を教える。また、ゲストと教員がディスカッションをすることで知識を高めていく。

科目情報

履修想定年次
1年次
単位数
2単位
開講Q
1Q、3Q
科目属性
選択必修
授業の方法
オンデマンド科目
評価方法
確認レポート 50% , 単位認定試験 50%
科目ナンバリング
DIGI-1-B1-1030-001
到達目標
本科目では、自身が日常的に触れているネットやデジタル機器が、どのように誕生、産業化して社会を変革してきたかを学ぶ。疑問もなく使っているスマートフォンやソーシャルメディアも、成立にいたる技術やコンセプトがある。モノを生み出すことに関わることの魅力に気づき、課題を見抜き解決しようとする態度を身につけることで、技術的な議論やマーケティングにおいて、歴史から学んだことを応用できるようになる。
教科書・参考書
[教科書]
  • なし(オリジナル教材)
[参考書]
  • 遠藤諭,新装版計算機屋かく戦えり,アスキー,2005
  • ばるぼら,教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書,翔泳社,2005
  • 村井純,【全15巻合本版】角川インターネット講座,KADOKAWA,2015
  • MartinCampbell-Kelly、WilliamAspray、NathanEnsmenger、JeffreyR.Yost,コンピューティング史:人間は情報をいかに取り扱ってきたか,共立出版,2021
授業時間外の学修
各回の授業内容は繰り返し見返し、教材をよみしっかりと復習をしてください。また、次回の学習内容についても教材に載っている作品を事前に読み、Webで調べるなどして各回二時間ほど予習を行ってください。
特記事項
2026年4月1日現在。内容が更新される場合があります。

授業計画

1
IT産業史を学ぶということ(イントロダクション)

IT産業史を学び、デジタル技術の進化と失敗、情報技術の原理、日本エレクトロニクスの特性を多角的に理解する。1年間を通してITの歴史を学び、未来を見据えることができる知見を身につける。

2
ITのおおまかな歴史

コンピュータ誕生までの道のりを、人類の歴史や産業革命との関わりを通じて学ぶ。計算機や機械式計算機の進化、チャールズ・バベッジの貢献、コンピュータの革新性を理解し、社会への影響を探る。

3
日本が生み出したもの

日本エレクトロニクスの2つの流れを始め、ソニーのトランジスタ技術、世界初のマイクロプロセッサ開発、日本の技術革新と世界的躍進、秋葉原の役割、80~90年代の日本製パーツの世界的影響について学び、日本が生み出してきた技術について理解する。

4
コンピュータが誕生する前

戦争や産業革命がコンピュータ誕生に与えた影響をはじめ、バベッジの機械、機械式計算機、パンチカード、プログラム式計算機の進化、真空管によるエレクトロニクス革命まで、コンピュータ誕生前の歴史を多角的に学ぶ。

5
コンピュータが出来た!

ENIACやFUJICなど初期のコンピュータの誕生と普及が社会や生活に与えた影響を探る。また、商用コンピュータの時代、IBMの市場支配、コンピュータの形態の変化、日本の産業政策がコンピュータ産業に与えた影響など、その歴史を学び、コンピュータ技術の発展が人々の暮らしや社会にどのように繋がっているかを深く理解する。

6
人々はコンピュータをどのように使ったか

コンピュータ利用用途の変遷を、ソフトウェアの歴史、プログラミング言語やOSの進化から学ぶ。さらに1980年代以降のアプリケーションの発展、マルチメディア時代、ネットとスマートフォンの社会的影響を含めて多角的に理解する。

7
コンピュータデバイスのイノベーションの歴史

ハードウェアの総合的な進化を軸に、ムーアの法則を始めとする技術革新の背景を学ぶ。入出力装置や補助記憶装置の変遷、記憶装置の重要性を探り、IoTやセンサー技術がもたらした影響と可能性に触れ、コンピュータ技術の発展過程を体系的に理解する。

8
パソコンの誕生

マイコン博物館ロケを交えて、パソコン誕生から普及するまでの歴史を学ぶ。初期のマイコンや8ビットパソコンの実物を通して、マイコンキット登場前後の文化やユーザーコミュニティの変遷、コンピュータ雑誌の役割を探り、当時のコンピュータカルチャーとビジネスの成立過程を考察し、マイコンやパソコンが浸透した時代背景を深く理解する。

9
パソコン黄金時代

パーソナルコンピューティングの半世紀にわたる歴史を俯瞰する。ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズの功績を通じてパソコン黄金期を知り、主要パソコンの進展や市場の変遷を学ぶ。また、パソコンビジネスの進化や、社会と産業への影響を探り、独自技術の背景やデファクトスタンダードの形成を理解し、パソコンとその周辺産業が築いた現代社会の基盤を考察する。

10
ネットワークの歴史

ネットワークの歴史やインターネットの誕生と進化を学ぶ。インターネット商用化や情報スーパーハイウェイ構想、日本のインターネットの歴史、WWWの普及とビジネス変革、ブロードバンドやモバイルインターネットの進展、人々の生活や価値観の変化を探り、ネットワーク技術が社会や暮らしに与えた影響を理解し、デジタル時代の進化を考察する。

11
AIの歴史

AIの歴史を振り返り、AI誕生以前から現代に至る進化を学ぶ。ダートマス会議を起点としたAIの発展、エキスパートシステム全盛期や生命活動との関係、2000年代以降のAI実用化や脳研究の進展、そしてディープラーニングや生成AIの普及と未来展望に触れ、AI技術が社会や生活に与えた影響を深く理解し、その可能性を探求する。

12
携帯電話はどのようにして生まれたか

モバイル通信の歴史からスマートフォンへの進化を探る。携帯端末の変遷やモバイルインターネットの先駆的サービス「iモード」の登場、絵文字や着信メロディといったユーザー文化の変化を学ぶ。さらに、iPhoneの誕生による生活の変化やAndroidとの比較を通じて、モバイル技術が社会や暮らしに与えた影響を理解する。

13
コンピュータと社会の関わりの歴史

コンピュータが社会に与えた影響を探る。核・宇宙開発から情報化社会への転換、金融業界の変化やマルウェアの登場、エレクトロニクス産業による世界のフラット化、ソーシャルメディアによるライフスタイルの変化などを学び、20世紀のコンピュータ時代からネット社会とAIが交錯する現代のテクノロジーまで、技術革新が人々の考え方や社会に与えた影響を俯瞰する。

14
デジタルエンターテインメントの歴史

デジタルエンターテインメントの歴史として、ビデオゲームの誕生とその産業史を学ぶ。世界初のゲームやハードウェアとしてのゲーム機、グラフィックスとサウンドの進化、ソフトウェアとしてのゲームの発展を探り、ゲーミフィケーションの考え方にも触れるほか、ゲーム業界の歴史的事件やアタリショック、任天堂の成功要因、日本がゲーム分野で世界を席巻した背景について考察する。

15
パソコンユーザーが語る歴史(クロージング)

パソコンユーザーの代表として、すがやみつるさんの漫画家としての活動を通じたパソコンマニア時代や「こんにちはマイコン」誕生秘話、パソコン通信時代の背景を掘り下げる。さらに、川島優志さんのインタビューを通じて、パソコンとの出会いや起業、Google・Nianticでの革新的な仕事を知り、テクノロジーが生み出す文化やビジネスの進化を多角的に理解する。

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