シラバス
入学のご案内履修登録

科目の概要

本科目では「クオリティー(品質)」の基礎知識について、アニメづくりを題材に教える。アニメ制作現場における品質保持方法を事例に、あらゆる業界に共通する考え方の修得をめざす。実社会において品質管理には標準の国際規格が存在し、アニメも近い考え方で製品化されている。工業界の「クオリティー・コントロール」も参照しつつ、「製品としてのアニメ」を理解することで、「ものづくり」の品質を向上可能な能力を高める。

科目情報

履修想定年次
2年次
単位数
2単位
開講Q
1-2Q
科目区分
選択
授業の方法
演習科目
評価方法
個人発表70%・グループワーク30%
科目コード
DIGI-2-C3-1200-004
到達目標
本科目では「クオリティー」の本質やその実現手段の基礎について学ぶ。アニメーションの制作現場は専門部署に分かれ、各工程で品質の基準が定義されている。このプロジェクト推進と品質管理の考え方は、製造業で適用される品質管理の国際標準ISO9001と類似しており、これらを学ぶことで、学生が品質管理の基礎を必要に応じて説明し、問題発生時も原因や改善手法を論じられるスキルを修得できることを目標とする。
教科書・参考書
  • 神村幸子「アニメーションの基礎知識大百科増補改訂版」(グラフィックス社)2020舛本和也「アニメを仕事に!トリガー流アニメ制作進行読本」(星海社新書)2014福西義晴「図解即戦力ISO9001の規格と審査がこれ1冊でしっかりわかる教科書」(テクノソフト)2019
授業時間外の学修
各回二時間ほど復習を行ってください。また、次回の学修内容についてもあらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebで調べるなどして各回三時間ほど予習を行ってください。
特記事項
前提科目 アニメ産業史 後継科目 アニメ産業に関わる仕事、ゼミ(アニメ作品の分析メソッド) ※実務家教員担当科目 2025年4月1日現在。内容が更新される場合があります。

授業計画

1
自己紹介とオリエンテーション

1回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

授業の全体像を説明する。扱うアニメを「工業製品」と再定義し、そのプロセスに応じたクオリティーについて、基礎を学ぶ。

2
アニメ作品の制作フロー

2回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

現在の制作会社で用いられているアニメ制作のワークフローを学ぶ。各工程の始めと終わりにインプットとアウトプットの関係があることを学修する。

3
集団作業と品質管理の標準

3回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

アニメーション制作は集団作業である。個人制作の小説や漫画と異なるプロセスが存在するため、品質は容易に劣化する。その防止手段について学修する。

4
内製と外注の差

4回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

現在、大半のアニメ作品はフリーランスと外注会社の共同作業で出来上がっている。対して全工程を内部にもつ会社もある。その対比から品質について学ぶ。

5
品質はどこで作り込むのか?

5回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

品質マネジメントシステムに関する国際規格ISO9001の基礎を学ぶ。「クオリティコントロール」のポイントとは「品質は作りこむもの」であることを学修する。

6
チェック工程の必要性

6回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

アニメーション作画は作画監督が立ち、修正して品質管理をしている。その具体例を通じ、どの段階でどんな品質を作りこむものなのか、学修する。

7
アニメ特有の品質事情

7回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

アニメ作品は「工業製品と芸術作品」のふたつの性質を備えている。しかし興行的な品質が高まらないと芸術性も損なわれる。その相互関係を学ぶ。

8
リソースの発想;時間と人手と予算は等価

8回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

映像業界における「制作部の仕事」はリソース管理であり、品質管理と直結している。時間、人手、予算は等価であり、「お金で時間を買う」などの発想を学ぶ。

9
制作プロデューサーの仕事

9回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

アニメづくりの中核「制作部の仕事」を学ぶ。現場の構築、円滑な運営、リソース配分、手配と納期、予算管理など、他の業種へ応用可能なの考え方を学修する。

10
監督の仕事

10回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

監督は作品の品質責任者である。制作現場を統括し、ひとつの方向へと作品を導きつつ、品質劣化を防いでいる。数人の監督の事例から、その方法論を学ぶ。

11
マーフィーの法則;リテイクで高める質

11回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

「失敗する可能性のあるものは、必ず失敗する」このマーフィーの法則を学ぶ。チェックを逃れたエラーに対し、「リテイク」をどうかけるか。品質の高め方を学修する。

12
総論と補足

12回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

これまであげた事例の補足とともに、まとめを行う。品質管理を行う急所を総括することで、学修した結果を確認する。

13
個人発表

13回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

これまでの説明をふまえ、具体的な品質向上方法に関する調査を行い、発表・質疑によって理解度の向上を図る。

14
個人発表

14回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

これまでの説明をふまえ、具体的な品質向上方法に関する調査を行い、発表・質疑によって理解度の向上を図る。

15
発表を受けての総括

15回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

発表に対する評価、情報の補足とともに、これまでのまとめによって、より深く学修するとともに、将来の職業への展望を総括する。

関連科目