シラバス
入学のご案内履修登録

科目の概要

国の景気を測るには、GDPや失業率、消費者物価指数、貿易収支などが利用される。経済発展は、GDPの成長率や一人当たりのGDPを通じて測定される。マクロ経済学の基本概念を理解し、政府機関や国際機関、経済研究機関などが提供するデータを利用することで、経済の現状を把握し、課題を分析する視点を身につけられる。これにより、経済全体の動きを把握し、持続可能な発展に寄与することができる。

科目情報

履修想定年次
2年次
単位数
2単位
開講Q
1Q、3Q
科目区分
選択
授業の方法
オンデマンド科目
評価方法
確認レポート 50% , 単位認定試験 50%
科目コード
ECON-2-C1-1030-001
到達目標
本科目を通じて、マクロ経済全体の把握や諸概念の意味、統計データの解釈などのスキルが磨かれる。また、経済データの多様な解釈を理解することで、多角的な視点から考える力と健全な批判的精神が養われ、複雑かつ不確実性の高い新しい時代に対応する力を身につけられる。これにより、経済全体の動向をより深く理解し、持続的な発展に寄与できる能力を身に着けることが期待される。
教科書・参考書
  • グレゴリー・マンキュー「マンキュー経済学IIマクロ編」東洋経済新報社;第4版(2019)作間逸雄編『SNAがわかる経済統計学』有斐閣(2003/9/1)戸堂康之「開発経済学入門第2版」新世社;第2版(2021/3/5)浦田秀次郎・小川英治・澤田康幸「はじめて学ぶ国際経済〔新版〕」有斐閣(2022/8/26)
授業時間外の学修
各回の講義内容は繰り返し見返し、各回二時間ほど復習を行ってください。また、次回の学習内容についてもあらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebで調べるなどして各回二時間ほど予習を行ってください。
特記事項
順次公開予定

授業計画

1
イントロダクション

オリエンテーションから始まり、マクロ経済の基礎である税金について学ぶ。間接税と直接税、財政収支と支出等について学習する。国政と地方自治における税金の違い、税金の国際比較など、経済の全体像を把握するための代表的な指標である税金について詳しく学ぶ。

2
三面等価原則と経済循環

経済学の基礎である三面等価原則と経済循環を深く学び、需要と供給関係や貯蓄投資バランスの理解を深める。GDP統計とその諸概念、支出面と分配面の構成変化を理解し、Excelによる作図例で身につける。

3
成長率の考え方

経済データの種類と成長率の定義に触れ、四半期成長率の年率換算方法や年間成長率の応用を学ぶ。Excelを使った計算例や成長率の寄与度分解、分析方法を自ら試みる。

4
会計原則とマクロバランス

会計原則とマクロバランスを通じて簿記原理の基礎を学び、個別の収支式や利潤の定義を理解する。主体別の収支式や一国全体の収支式を習得し、国民経済計算(SNA)の誕生や歴史的背景を学ぶ。さらに、5つの基礎経済統計を身につける。

5
SNAの構成と特徴

SNAの基本構造とフローとストックを掴み、統合勘定の構成とデータ、制度部門別勘定、主要系列表・経済活動別勘定を理解する。名目値と実質値、物価統計の違いと、特殊概念も学習する。

6
経済成長のモデル

経済成長のモデルを深堀りし、投資と資本、ソロー・モデル、ハロッド・モデルについて学ぶ。また、資本の測定問題や投資関数の推定、全要素生産性(TFP)の考え方、TFPの測定例についても理解を深める。

7
金融の仕組みについて

貨幣の歴史から現金の流れ、中央銀行の役割まで、金融の仕組みを広範に学習する。債権と株式の知識を深め、貨幣数量説や流動性選好理論についても理解を深める。

8
総需要と総供給の枠組み

IS曲線とLM曲線の導出法を理解し、総需要と総供給の枠組みを習得する。財政政策と金融政策の効果について考察し、クラウディング・アウトや流動性の罠を探る。

9
国際経済の考え方

為替レートの定義やデータ、輸出入への影響、さらには為替と利子率の関係等、国際経済について幅広く学習する。購買力指数や国際収支表、BP曲線、マンデル・フレミング等を活用し、国際経済の動きを理解することを目指す。

10
経済発展の原理について

経済発展の原理を深堀りし、赤松の雁行形態論やヴァーノンのプロダクト・サイクル論などの理論を通じて理解を深める。また、クズネッツの逆U字曲線やロストウの発展段階説、ラニス・フェイ・モデルなども学習する。

11
交換の経済学

リカードの比較優位の理論やヘクシャー・オーリンモデルなどについて探求し、要素賦与量や人気財の生産や価格影響、要素価格均等化の原理と自由貿易、関税政策と補助金政策について学ぶ。

12
分業と生産

アダム・スミスの分業と生産性について学び、社会的分業と私的所有、市場経済の前提条件を理解する。生産の理論や生産性の概念も探り、全要素生産性を復習する。価値についても考察する。

13
投資、インフレ、失業問題

マルクス資本論、ソロー・ハロッド・ドーマーの投資理論など、資本と成長の関係を理解する。直接金融と間接金融などを通じて、金融の重要性を学ぶ。そして、それが価格と労働市場に与える影響を考える。

14
産業連関構造とその変化

産業連関表を理解し、レオンチェフ・モデルや輸入内生化モデルを学び取る。生産誘発効果や影響力と感応度について学習し、産業連関の応用をマスターする。

15
イノベーションについて

シュムペーターやケインズの視点からイノベーションを理解し、具体的な事例を通じて学ぶ。経営学の理論やベンチャービジネス、スタートアップの観点も取り入れた上で、社会発展の原理を多角的に考察する。

関連科目