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科目の概要

「文化」は、物理と生物の自然界で説明できない人間の「世界」であり、この「文化」という言葉は時代や目的によって、様々な意味を持つようになった。本授業では、文化人類学の代表的な論点や文献を取り上げ、文化と世界観、自然界、と活動との関わりを検討し、「文化とは何か」を学ぶ。人間の基層的な問題がどのように議論されてきたのかを俯瞰することによって、これからの世界を想像する力を身につける。

科目情報

履修想定年次
2年次
単位数
2単位
開講Q
2Q、4Q
科目区分
選択
授業の方法
オンデマンド科目
評価方法
確認レポート 50% , 単位認定試験 50%
科目コード
HUM-2-C1-0204-005
到達目標
本授業では、文化に関わる基層論点を検討し、また批判することによって、世界を見る視野を広め、関心のある課題をより柔軟的に考えることができるようになる。言語、メディア、宗教、秩序、身体や経済などをめぐる様々な概念を、具体例からどのように凝固してきたのか、お互いにどんな関連を持つのかを検討することで、一見無関係に見える問題の共通点を見つけ、概念を批判的に使うことができるようになる。
教科書・参考書
  • Thompson,J.B.(2013).Ideologyandmodernculture:Criticalsocialtheoryintheeraofmasscommunication.JohnWiley&Sons.
授業時間外の学修
各回の講義内容は繰り返し見返し、各回二時間ほど復習を行ってください。また、次回の学習内容についてもあらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebで調べるなどして各回二時間ほど予習を行ってください。
特記事項
順次公開予定

授業計画

1
文化と文明はどう違う?

科目の内容の紹介、文化概念の古典的な意味を学ぶ。

2
文化のリアリティー:株式会社とユーニコンの共通点とは?

意味解釈の視点から文化の概念について学ぶ。

3
精神には形があるのだろうか?

メディアやコミュニケーションや情報から文化について学ぶ。

4
目に見えない、個人を超えたリアリティー

世界観、宗教や魔術について学ぶ。

5
「さ迷う」物語の英雄と儀礼

世界観や通過儀礼や物語について学ぶ。

6
人を突き動かす表現と現代の神話

社会生活における神話的な思考と神話的な表現の働きについて学ぶ。

7
コラム①フィクションのアンチヒーローからみた近代の神話

ゲーテの『ファウスト』とラヴクラフトの『クトゥルフの呼び声』などから、近代という時代を表す神話を読み取る。

8
人間にとっては自然とは何だろう

「自然」対「文化」の考え方の基礎について学ぶ。

9
結婚相手は自由に選べられるのだろうか?

生物としての人間、血縁と社会制度について学ぶ。

10
からだの限界を超える

メディア論と身体論の接点について学ぶ。

11
コラム②身体の技術とAIから見る近未来

加速主義などから、身体技術をめぐる現在の議論について学ぶ。

12
お金には魂が宿るのか?

人間活動と集団生活から「価値」の概念を考える。

13
本当の自分はどこ?

「ペルソナ」、「マスク」、「名前」や「キャラ」など、人間をめぐるカテゴリーについて学ぶ。

14
支配と権力は必要なのだろうか?

文化人類学から集団生活における権力とその正当性について学ぶ。

15
人間について問い続ける

文化人類学の目的と方法論について復習しまとめる。

関連科目