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科目の概要

論理と証明は数学を記述するための最も基礎的な言葉であると同時に、正確な推論を行ったり他者を説得したりするのに便利なツールでもある。この授業では命題と述語を用いて文章を論理式を用いて正確に表現する方法を学び、論理式として表された主張を証明するための手法を身につける。形式化された証明を記述するにあたり、定理証明系と呼ばれるソフトウェアを利用する。

科目情報

履修想定年次
2年次
単位数
2単位
開講Q
2Q、4Q
科目区分
選択
授業の方法
オンデマンド科目
評価方法
確認レポート 50% , 単位認定試験 50%
科目コード
MTH-2-C1-0204-003
到達目標
基本的な論理結合子(かつ、または、〜でない、ならば、すべての、ある)の意味を理解し、論理式と日本語の文章を相互に翻訳できるようになる。さらに、各論理結合子に対応する推論規則(導入規則・除去規則)を理解し、数学的に厳密な証明が書けるようになる。
教科書・参考書
  • 【教科書】オリジナル教材【参考書】論理と集合から始める数学の基礎(嘉田勝/日本評論社)2008
授業時間外の学修
各回の授業内容は繰り返し見返し、各回二時間ほど復習を行ってください。また、次回の学修内容についてもあらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebで調べるなどして各回三時間ほど予習を行ってください。
特記事項
順次公開予定

授業計画

1
ガイダンス

記号論理学の概要について説明する。

2
命題と論理結合子・真理値

真偽がはっきりと定まった言明としての命題を定義し、命題を組み合わせて新たな命題を構成する論理結合子について学ぶ。真理値表を用いて複雑な命題の真理値を計算できるようになる。

3
いくつかの基本的な法則

命題に関するいくつかの基本的な法則を、真理値表を用いた計算によって確かめる。

4
述語と量化記号

変数を含む言明である述語を導入し、「すべての〜」や「ある〜」を表す量化記号の説明をする。

5
多変数述語とゲーム意味論

多変数の述語を導入し、量化記号が複雑に入れ子になった述語論理式を扱う。また、そのような論理式の意味を解釈するために、ゲームの必勝法を利用した意味論を導入する。

6
証明とその形式化

読み手を説得するための文章としての証明を書く方法について。また、それを計算機上で実現する方法について。計算機上で定理証明系を用いて、証明の形式的な記述方法を学ぶ。

7
「ならば」と「同値」の証明

「ならば」と「同値」を含む命題論理式のトートロジーを証明する方法を説明し、例を見る。

8
「かつ」と「または」の証明

「かつ」と「または」を含む命題論理式のトートロジーを証明する方法を説明し、例を見る。

9
命題論理の諸法則の証明、「否定」の証明

分配法則などの基本的な法則を実際に証明することで、定理証明支援系に親しむ。また、「否定」を含む命題論理式のトートロジーを証明する方法を説明し、例を見る。

10
背理法による証明

背理法を用いなければ証明できないような定理の例を見る。

11
「全称」と「存在」の証明

量化記号を含む論理式として書かれた定理を証明する方法を説明し、例を見る。

12
いろいろな証明の例

述語論理における様々な定理を実際に証明することで、実践的な能力を身に付ける。

13
数に関する証明

自然数に関する簡単な定理を証明することで、より数学的な証明が書けるようになる。自然数に関する重要な証明法として、数学的帰納法を身に付ける。

14
集合に関する証明

集合と包含関係、集合演算に関する定理の証明の書き方を身に付ける。その過程で、命題論理の諸法則との類似を見る。

15
写像に関する証明

集合の間の写像に関する定理の証明の書き方を身に付ける。

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