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科目の概要

集合論と論理学の基本概念を中心に取り扱う。集合の構成や直積集合、写像、像と逆像、二項関係、商集合などの概念を学びつつ、数学的記法や集合演算、論理演算への理解を深めていく。また、述語論理や量化子を用いた証明と反例の扱いも鍛える。高校までの使用例を挙げながら、数の集合の構成や構造と準同型、普遍性、選択公理、濃度と順序数など、集合論と論理学の応用例や理論を学修する。この先の現代数学を学ぶための基盤を形成する。

科目情報

履修想定年次
2年次
単位数
2単位
開講Q
1Q、3Q
科目区分
選択
授業の方法
オンデマンド科目
評価方法
確認レポート 50% , 単位認定試験 50%
科目コード
MTH-2-C1-1030-002
到達目標
「集合と論理」を通じて、集合論と論理学の基本概念が理解できるようになる。数学的記法や集合演算、論理演算の理解を深め、述語論理や量化子を用いた証明と反例の扱いに慣れる。集合の定義や直積集合、写像、像と逆像、二項関係、商集合などの概念を学び、数の集合の構成や構造と準同型、普遍性、選択公理、濃度と順序数などの応用例や理論を扱う。文理を跨いだ様々な学問分野において、集合と論理の知識を適切に理解し活用する能力を身につける。
教科書・参考書
  • 【教科書】オリジナル教材【参考書】集合と位相(斎藤毅/東京大学出版会)2009、証明作法(石原哉/共立出版)2023
授業時間外の学修
各回の授業内容は繰り返し見返し、各回二時間ほど復習を行ってください。また、次回の学修内容についてもあらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebで調べるなどして各回三時間ほど予習を行ってください。
特記事項
順次公開予定

授業計画

1
ガイダンス

集合論の基礎知識を学修し、命題、述語、集合、論理演算子を理解する。集合の操作と論理の関係を学ぶ。

2
量化子と述語論理

全称量化子や存在量化子の概念を理解し、述語論理の計算について学ぶ。更に、否定の計算と量化子の順序についても深めていく。

3
証明の書き方

量化子について理解し、量化子のついた命題の証明の書き方を学ぶ。

4
高校までの使用例

約数と倍数、関数の値域、方程式と不等式、パラメータ付きの方程式と不等式、軌跡と領域について量化子などの述語論理を用いて理解する。

5
集合

集合とその要素の理解を深め、内包的表記や部分集合の扱い方を学ぶ。和集合と共通部分の関連性、自然数の構成についても学ぶ。

6
冪集合と直積

冪集合と順序対・直積の理解を深め、関数、対応、二項関係のグラフについて学ぶ。

7
写像

数学的な写像とその合成を理解し、その性質を変換する力を養う。また、写像の集合や演算との関連性を学び、単射や全射について深めていく。

8
像と逆像

像の定義と性質、逆像の定義と性質を学び、その関係を理解する。また、像や逆像と部分集合の演算、さらにファイバーと単射全射についても学ぶ。

9
二項関係

二項関係の記述方法を始め、順序関係、同値関係、関係の強弱、関係の生成について学び、それぞれの関係を理解する。

10
商集合

集合の分割と商集合の基本を学び、同値関係と商集合の関係を理解する。また、写像と商集合の関係や、写像の誘導についても学ぶ。商集合の具体的な例を通じて理論を深める。

11
数の集合の構成

自然数から複素数まで、ここまで学んだ集合の道具を用いて数の集合の構成を体系的に学修する。

12
構造と準同型

数学的対象のなす圏や構造と性質を理解するため、順序を保つ写像や演算を保つ写像について学び、部分集合族と写像の知識を深める。

13
普遍性

最大最小、和や積、商、冪などにおける「普遍性」を深く理解し、生成系の普遍性の理論を学ぶ。数学の幅広い領域で活用可能な普遍性について学ぶ。

14
濃度と選択公理

集合論における基本的な概念である、有限と無限、集合の濃度、対角線論法について学び、その上で選択公理やツォルンの補題を学ぶ。

15
順序数

順序数とその性質について学び、整列集合や超限帰納法の理解を深める。整列可能定理を通じて、順序数の概念の重要性を理解する。

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