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科目の概要

解析学3では、ベクトル解析を中心に学び、ベクトル場の微分・積分、グリーンの定理、ストークスの定理、ガウスの定理などについて理解を深める。そして、微分形式、陰関数定理、接ベクトル、リーマン計量、接続と曲率、フロべニウスの定理といった幅広いテーマについても取り扱う。さらに、電磁気学、流体力学、弾性力学、トポロジー、幾何学などの具体的な応用例を通じ、理論を応用する力を養う。

科目情報

履修想定年次
2年次
単位数
2単位
開講Q
1Q、3Q
科目区分
選択
授業の方法
オンデマンド科目
評価方法
確認レポート 50% , 単位認定試験 50%
科目コード
MTH-2-C1-1030-004
到達目標
解析学3を修了すると、ベクトル解析の基本的な技術や考え方を身につけることができる。具体的には、ベクトル場の微分・積分、グリーンの定理、ストークスの定理、ガウスの定理、ポアンカレの補題、微分形式、陰関数定理などを理解し、これらを用いて具体的な問題を解く力が身につく。また、電磁気学や流体力学などの物理学における応用例を学ぶことで、数理手法が社会の基盤として存在し、どのように活用できるかを理解する。
教科書・参考書
  • 【教科書】オリジナル教材【参考書】解析入門II(杉浦光夫/東京大学出版会)1985,曲線と曲面の微分幾何(小林昭七/裳華房)1995
授業時間外の学修
各回の授業内容は繰り返し見返し、各回二時間ほど復習を行ってください。また、次回の学修内容についてもあらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebで調べるなどして各回三時間ほど予習を行ってください。
特記事項
順次公開予定

授業計画

1
ガイダンス

初回のガイダンスでは、微分積分、線形代数の知識を復習し、座標と微分方程式の理解を深めベクトル解析を学ぶことの動機づけを理解する。

2
ベクトル場の微分

ベクトル場の定義から始め、その後に勾配ベクトル場、ベクトル場の回転、発散といった概念を学修する。最終的にはラプラシアンを通じて、ベクトル場の微分を深く理解する。

3
ベクトル場の線積分

線積分の定義から始まり、計算方法や基本性質を理解する。更に、グリーンの定理とその証明についても深く探求し、ベクトル場の線積分の知識を深める。

4
ベクトル場の面積分

面積分の定義から始めて、その計算法や基本性質を学び、ストークスの定理とその証明を理解する。

5
ガウスの定理

ガウスの定理の基本的な理解を深め、その証明方法を学ぶ。その後、発散や流束、重力場との関連性を探る。最後には、ガウスの定理の応用例を取り上げる。

6
ポアンカレの補題

ポアンカレの補題とその証明方法を理解する。さらに、ポテンシャルについて学び、物理学などへの実際の応用例を学ぶ。

7
陰関数定理

陰関数定理と逆関数定理を学び、その証明について理解する。また、未定乗数法を修得し、陰関数定理の応用例を通じて理解を深める。

8
線形空間

線形空間の基本的な定義と性質を身につけ、部分空間や商空間などの概念を理解する。準同型定理と双対空間についても学び、高度な線形代数の知識を深める。

9
テンソル

双線型形式やテンソル積など、テンソルの基本的概念を学修する。また、対称形式と交代形式、共変テンソルと反変テンソルについて理解を深め、高階のテンソルにも触れる。

10
微分形式

微分形式の基本的な定義と性質を学び、高次の微分形式や外微分の理解を深める。さらに、微分形式の積分やドラームコホモロジーの導入を通じて、微分形式の応用を身につける。

11
微分形式と微分方程式

微分形式と微分方程式について学び、完全微分形や積分可能性条件、フロべニウスの定理、特性系を通じて、微分方程式への応用を理解する。

12
接ベクトルとベクトル場

ベクトルと接ベクトルの定義を理解し、その応用領域であるベクトル場・テンソル場について学修する。微分作用素とベクトル場の関連性を探り、さらにベクトル場の微分を学ぶ。

13
リーマン計量と測地線

リーマン計量の定義や性質について学び、測地線の定義や性質を理解する。測地方程式を扱い、具体的な例を通じて理解を深める。

14
接続と曲率

微分幾何学の一部である接続と曲率を学修する。接続の定義と性質、共変微分、接続形式の理解を深め、ガウス曲率とガウス写像を通じて曲面の理解を進める。

15
ガウスボンネの定理

測地曲率や局所的なガウスボンネの定理の理解を深める。また、それらの証明法を学び、オイラー数への理解と大域的なガウスボンネの定理へと繋げる。

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