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科目の概要

距離空間を中心に、その性質や特性を理解することを目指す。距離空間と連続性、実数の連続性、数列の収束、関数の連続性、中間値定理、最大値定理、積分、一様収束、極限の順序交換、開集合・閉集合、連結性、コンパクト性、関数空間のノルムなど、解析学の基本的な概念と定理に触れ、それらを自由に操れる能力を育てる。これらの理解を深めることで、数学の応用や理論の発展に対する理解も深まることを目指す。

科目情報

履修想定年次
2年次
単位数
2単位
開講Q
1Q、3Q
科目区分
選択
授業の方法
オンデマンド科目
評価方法
確認レポート 50% , 単位認定試験 50%
科目コード
MTH-2-C1-1030-005
到達目標
距離空間と連続性の理論を深く掘り下げることで、数列の収束や関数の連続性、中間値定理、積分、一様収束など解析学の基本的な概念と定理を理解する。連続性や収束の理論は、情報技術におけるアルゴリズムの設計や解析など、社会の基盤となる数理に直結している。また、正しい理論を正確に理解し応用する姿勢を養う。これらを学ぶ過程で、情報技術や社会の基盤にある数理を理解する力が身につく。
教科書・参考書
  • 【教科書】オリジナル教材【参考書】ポストモダン解析学(ヨスト著、小谷元子訳/丸善出版)2012
授業時間外の学修
各回の授業内容は繰り返し見返し、各回二時間ほど復習を行ってください。また、次回の学修内容についてもあらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebで調べるなどして各回三時間ほど予習を行ってください。
特記事項
順次公開予定

授業計画

1
ガイダンス

距離空間の基本的な概念を学ぶ。微積分の復習を行い、予備知識について確認する。

2
実数の連続性

デデキント切断や上限・下限の理解を深め、区間縮小法とアルキメデスの原理を学修する。また、有理数の稠密性について探求し、実数の連続性について理解を深める。

3
数列の収束

数列の収束について深く学び、収束の定義や上極限、下極限の理解を深める。有界単調列の収束について学ぶとともに、ボルツァーノ=ワイエルシュトラスの定理を通じて数列の収束の理論を学んでいく。

4
完備性

「完備性」の授業では、完備性の定義から始め、コーシー列、ノルム空間、バナッハ空間へと進める。さらに、バナッハの不動点定理についても学修する。

5
関数の連続性

連続関数の定義から一様連続性、数列の収束やリプシッツ連続性までを学び、関数の連続性について深く理解する。これらの理論を通して、連続関数の性質を身につける。

6
中間値の定理

数学の重要な定理である「中間値の定理」について理解を深める。また、証明方法や連続関数の逆関数、平均値の定理、区間の連結性についても学ぶ。理論的な知識を身につけるべく、頑張りましょう。

7
最大値の定理

関数の一様連続性を理解し、最大値の定理及びその証明方法を学び、完備性と全有界性の概念を掴む。

8
積分の定義

リーマン積分やリーマン和の基本概念を理解し、積分の性質を学ぶ。また、連続関数の積分可能性や広義積分についても学修を深める。

9
一様収束

関数列の収束から一様収束、連続関数の一様収束、広義一様収束までを深く理解し、一様ノルムの概念を学修する。それぞれの項目を通して一様収束について体系的に学ぶ。

10
極限の順序交換

極限の順序交換について学び、微分・積分と極限の順序交換を理解する。項別微積分と微分・積分の順序交換を通して、極限の交換の重要性を学ぶ。

11
距離

ユークリッド距離や様々な距離について理解を深め、収束と距離、距離と連続性の関連性を学ぶ。その知識を用いて距離空間を把握する。

12
開集合と閉集合

開集合と閉集合の定義と性質を理解し、開核と閉包、境界点の概念を学ぶ。関数の連続性や近傍についても修得する。

13
連結性

連結性の定義から始まり、中間値の定理、連結成分、弧状連結性、区間の連結性を学ぶ。

14
コンパクト性

点列コンパクトや最大値の定理など、コンパクト性に関する概念を理解し、1点コンパクト化についても学ぶ。

15
関数空間のノルム

微分方程式の解の存在や関数空間の完備化を理解するため、L1ノルムとL2ノルムを中心に学び、連続関数の空間におけるノルム理論を深める。アルツェラアスコリの定理も学修する。

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