シラバス
入学のご案内履修登録

科目の概要

古典物理学は、力学と電磁気学と熱力学の3つからなり、現代物理学の基礎となる学問である。古典物理学の学修は、現代の科学技術を基本原理から理解するために必要不可欠である。本講義では、高校での物理の履修は前提とせず、物理学を初めて学ぶ人を対象に、力学の講義を行う。力学は、物体に力が働いたときにどのような運動を行うか、その法則を明らかにする学問である。最初の11回で、質点系の力学を丁寧に学ぶ。続く4回で、剛体、流体、弾性体、粘弾性体などの身近な物体の力学を簡潔に学ぶ。

科目情報

履修想定年次
2年次
単位数
2単位
開講Q
1Q、3Q
科目区分
選択
授業の方法
オンデマンド科目
評価方法
確認レポート 50% , 単位認定試験 50%
科目コード
MTH-2-C1-1030-008
到達目標
力学の理解によって、物理世界の基礎を把握し、論理的思考を身につける。質量、速度、運動量、落下運動、運動方程式など、重要な力学的概念を学修することで、日常生活で見過ごしていた物理現象を理解し、それを数学的に表現する能力を養う。また、力学的エネルギーや仕事、角運動量といった高度なトピックを扱うことで、情報技術や社会の基盤にある数理を理解する力を獲得する。
教科書・参考書
  • 【教科書】オリジナル教材【参考書】大学生のための力学入門(小宮山進、竹川敦/裳華房)2013
授業時間外の学修
各回の授業内容は繰り返し見返し、各回二時間ほど復習を行ってください。また、次回の学修内容についてもあらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebで調べるなどして各回三時間ほど予習を行ってください。
特記事項
順次公開予定

授業計画

1
質量と速度

力学の歴史と意義を大雑把に理解し、重さや速さのような日常概念を数学的に表す方法を理解する。

2
運動量

力積と力、運動量保存の法則、作用・反作用の法則を学び、さらに運動量保存の法則だけで決定できないことや跳ね返り係数、相対運動について理解を深める。

3
落下運動

物体の落下速度や斜方投射など、落下運動に関連する概念を学びつつ、時間反転対称性や等加速度運動について理解を深める。軽重の物体の比較を通し、運動量の変化についても学ぶ。

4
運動方程式1

質点系の慣性中心や運動方程式を学び、静力学とばねばかりを使って次の動きの予測を鍛える。様々な力、接触力と場の力の理解も深める。

5
運動方程式2

運動方程式の意義を理解し、決定論とカオス、フックの法則、摩擦力、束縛力について学修する。全体の内容をまとめ、理解を深めることで、物理学の基礎を身につける。

6
一次元の運動

物理学の基礎、一次元の運動について理解を深める。空気抵抗を受ける質点の落下運動や単振動、単振り子の理論を学び、その適用法を身につける。

7
二次元の運動

物理学の範疇である二次元の運動を深く理解する。特に、等速円運動と惑星の運動を通じて運動の法則や原理を身につける。

8
力学的エネルギーと仕事1

力学的エネルギーと仕事について学修し、可逆運動と不可逆運動、運動で保存する量、力学的エネルギー保存の法則などを探求する。非可逆運動と散逸、運動方程式の積分と力学的エネルギー、ばねの弾性エネルギーについても理解を深める。

9
力学的エネルギーと仕事2

力学的エネルギーと仕事についての理解を深める。運動エネルギーと仕事、力の線積分、束縛力、保存力、力学的エネルギーと非保存力の仕事、位置エネルギーと力の関係を学び、物理学の基礎知識を養う。

10
加速度系

慣性系に対する並進運動・回転運動する座標系について学び、加速度系への理解を深める。各座標系の特性を理解し、物理学への理解を広げる。

11
角運動量と力のモーメント

二体問題と角運動量と力のモーメントについて理解を深める。その理論と適用を学び、物理学の基礎を確立する。

12
剛体の力学

剛体の運動や固定軸に対する剛体の回転の理解を深める。慣性モーメントや剛体の角運動量、運動エネルギーの知識も身につける。

13
連続体の力学1

連続体の力学について、釣り竿を具体例として理解を深める。一様重力場で静止する流体や浮力の法則、応力についても学修する。

14
連続体の力学2

連続体の力学の基礎方程式や応力、ひずみとひずみ速度の概念を学ぶ。加えて、物体の構成方程式や線形弾性体、流体の力学についても学ぶ。

15
粘弾性体の力学

粘弾性体の基本的な力学的特性について理解する。粘弾性体模型、複素弾性率、時間温度換算則を学ぶ。

関連科目