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科目の概要

本講義では、首相秘書官や関係者など政権中枢に近い人々をゲストに招き、「なま」の声をもとに戦後日本の「オーラル・ヒストリー」を描いていく。 敗戦後の民主化への努力、平和主義と日米同盟、高度経済成長とその歪み、バブルの崩壊と低成長といった、度重なる「板挟み」において、当時の日本のリーダーたちはどのような観点から、どのように「決断」をしたのだろうか。本科目では、終戦直後から、「戦後政治の総決算」を謳った中曽根康弘政権までを扱う。

科目情報

履修想定年次
2年次
単位数
2単位
開講Q
1Q、3Q
科目区分
選択
授業の方法
オンデマンド科目
評価方法
確認レポート 50% , 単位認定試験 50%
科目コード
SOC-2-C1-1030-006
到達目標
この授業を通じて、戦後の日本政治を、さまざまな「決断」の連続として捉え直すことができる。具体的には、政権運営の「なま」の声を聞き、複数の選択肢とジレンマの中で、リーダーたちがどのような選択をおこなってきたのかを知ることで、戦後日本の軌跡を多角的に検討する視点を身につけることができる。
教科書・参考書
  • 【教科書】オリジナル教材【参考書】『もういちど読む山川日本戦後史』(老川慶喜/山川出版社、2016年)、『戦後政治史(第4版)』(石川真澄・山口二郎/岩波新書、2021年)
授業時間外の学修
各回の講義内容は繰り返し見返し、各回二時間ほど復習を行ってください。また、次回の学習内容についてもあらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebで調べるなどして各回二時間ほど予習を行ってください。
特記事項
順次公開予定

授業計画

1
不確実性の中の戦後日本史

授業全体のねらいと構成、及び戦後日本の決断の概要を説明する。

2
敗戦と再建

敗戦後の日本社会の混乱と民主化への試みについて考える。

3
吉田茂(1):主権回復と日米同盟

吉田茂政権について、サンフランシスコ平和条約と日米安保条約を中心に考える。

4
吉田茂(2):保守本流の原点

戦後日本の保守本流となった吉田茂の思想について読み解く。

5
鳩山一郎:55年体制の成立

鳩山一郎政権と55年体制の成立について論じる。

6
岸信介:「戦後」の終焉と政治の季節

岸信介政権について、安保闘争と高度成長期への離陸という観点から論じる。

7
池田勇人:政治の時代から経済の時代へ

池田勇人政権における所得倍増計画について論じる。

8
佐藤栄作(1)経済成長のひずみとその是正

佐藤栄作政権の政策を経済成長の弊害への対応という観点から考える。

9
佐藤栄作(2)沖縄本土復帰と非核三原則

佐藤栄作政権における沖縄復帰に関する諸問題を論じる。

10
田中角栄:『日本列島改造論』と角栄ブーム

田中角栄政権の人気とその思想について論じる。

11
福田赳夫:自民党派閥争いと日米貿易戦争

福田赳夫政権における日米貿易摩擦への対応を論じる。

12
大平正芳・鈴木善幸:ポスト角栄・ポスト高度経済成長体制の模索

大平正芳政権・鈴木善幸政権について、高度成長期以後の日本の方向性の模索という観点から考える。

13
中曽根康弘(1):行政改革

中曽根康弘政権の政策について行政改革を中心に論じる。

14
中曽根康弘(2):レーガンとの蜜月と日米関係の強化

中曽根康弘政権と80年代の日米関係について論じる。

15
総括:戦後日本の決断から何を学ぶか?

本講義をまとめ、戦後日本史から現代の私たちが何を学ぶことができるのかを考える。

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