
科目の概要
ファン文化と参加型文化の研究は、趣味との関わり、人との関わり、そしてこれを可能にする情報技術とコミュニケーションの研究である。本授業においては、コスプレ、同人活動やボーカロイドなどから例を取り上げて、特にインターネット空間におけるファン活動、コミュニティ作りやネットワーク作りなどに焦点を当てる。グループワークで関心のあるファン文化を考察し、ファン文化研究と参加型文化の基礎を身につける。
科目情報
履修想定年次
3年次
単位数
2単位
開講Q
3-4Q
科目区分
選択
授業の方法
演習科目
評価方法
試験35%、発表・発言35%、グループワーク30%
前提推奨科目
前提必須科目
後継推奨科目
科目コード
HUM-3-C3-0034-005
到達目標
本授業では、以下の能力の修得を目指す。①インターネット空間における活動、コミュニティやネットワークを考察する能力。②人文科学の視点と情報技術の視点を持って、ネットにおける「つながり」の現状とこれからの可能性を考える能力。
教科書・参考書
- ジェンキンス・ヘンリー(2021)『コンヴァージェンス・カルチャーファンとメディアがつくる参加型文化』渡部宏樹、北村紗衣、阿部康人訳(晶文社)、フィスク・ジョン(1998)『抵抗の快楽ポピュラーカルチャーの記号論』山本雄二訳(世界思想社)、Delwiche,A.,Henderson,J.J.(2013)TheParticipatoryCulturesHandbook.Routledge.Tiziana,T.(2014)NetworkCulture:PoliticsFortheInformationAge.PlutoPress
授業時間外の学修
グループワークによって、関心のあるファン活動、コミュニティやネットワークを選んで、各回で学ぶ概念、理論や方法論の具体例にして、グループで調べ、それに基づいて、チャットなどで議論を行う。各グループの報告は動画によって行われる。
特記事項
順次公開予定
授業計画
第1回オリエンテーション:ファン文化と参加型文化とは何か?
第1回
オリエンテーション:ファン文化と参加型文化とは何か?
第2回ネット上の活動はどうして可能なのか?信頼と参加の問題に着目してきたファン研究論
第2回
ネット上の活動はどうして可能なのか?信頼と参加の問題に着目してきたファン研究論
第3回「appropriation」(何かを取り込み、自分のものにして、使用する)という用語と「趣味でつながる」こと
第3回
「appropriation」(何かを取り込み、自分のものにして、使用する)という用語と「趣味でつながる」こと
第4回どうすれば新しいものを創作できるのか?:趣味とイデオロギー、逃避と創造性
第4回
どうすれば新しいものを創作できるのか?:趣味とイデオロギー、逃避と創造性
第5回みんなでコンテンツを作る:趣味とメディア、共同生産の政治性
第5回
みんなでコンテンツを作る:趣味とメディア、共同生産の政治性
第6回趣味とマーケット、贈与交換と価値の両義性
第6回
趣味とマーケット、贈与交換と価値の両義性
第7回みんなが自由に参加できるお祭り:活動、コミュニティとネットワーク
第7回
みんなが自由に参加できるお祭り:活動、コミュニティとネットワーク
第8回二次創作と情報資源の共有から考えたコモンズ
第8回
二次創作と情報資源の共有から考えたコモンズ
第9回情報社会が提起する問題、意味解釈の問題とノイズ回避の問題
第9回
情報社会が提起する問題、意味解釈の問題とノイズ回避の問題
第10回力を合わせてみんなで作る文化:集合知と情報プラットフォーム
第10回
力を合わせてみんなで作る文化:集合知と情報プラットフォーム
第11回文化の「民衆化」と「透明」な情報空間
第11回
文化の「民衆化」と「透明」な情報空間
第12回切断を生み出すつながり
第12回
切断を生み出すつながり
第13回報告とディスカッション①
第13回
報告とディスカッション①
第14回報告とディスカッション②
第14回
報告とディスカッション②
第15回まとめとディスカッション
第15回
まとめとディスカッション