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ゼミ(質的データ分析&エージェントシミュレーション)

[2027年度開講]

科目の概要

本ゼミでは、質的データ分析とエージェントシミュレーションについて実践を通じて学修する。ただし、本ゼミの目的は、質的データ分析およびエージェントシミュレーションを使えるようになることではなく、そのことを通じて、人間は、どのように社会や世界を見て、社会を認識しているのか、また、この宇宙はどのような構造で成り立っているのかを理解していくことにある。私たちが生活しているこの宇宙、そして、人間の認識について理解が進むと、様々な仕事に応用できるようになる。また、イノベーションを創出したり、新製品の開発などにも役立つ。 具体的には、前半では、インタビューやインターネット上にある文章(質的データ)をもとに、そこで語られている概念を抽出し、モデル図を作成する方法について学修する。後半では、シンプルなルールが、世の中の複雑な現象を生成している様子をシミュレーションを通じて確認する。

科目情報

履修想定年次
3年次
単位数
4単位
開講Q
通期
科目区分
選択
授業の方法
ゼミ
評価方法
レポート50%、発表50%
科目コード
INF-3-C4-1234-025
到達目標
本ゼミを通じて、質的データ分析、エージェントシミュレーションの仕組みを理解し、実施できることを目標の一つとしている。なお、学会発表ができる水準を目指す。また、質的データ分析、エージェントシミュレーションを通じた、人間の認識の特徴、社会、宇宙の構造についての概略的な理解の獲得を目標としている。
教科書・参考書
  • 山影進『人工社会構築指南(シリーズ人工社会の可能性1)』書籍工房早山、2008年
授業時間外の学修
各回二時間ほど復習を行ってください。また、次回の学修内容についてもあらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebで調べるなどして各回三時間ほど予習を行ってください。
特記事項
順次公開予定

授業計画

1
科学を理解する

1回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

質的データ分析ガイダンス データを分析する場合は、その結論が正しいことをどのように担保できるかを意識することが重要である。質的データ(文章データ)を分析する場合に、そこから得られた結論が、正しいであろうことをどのように担保するのかを意識することが重要となる。ここでは、科学そして、科学的であるということは、どういうことなのかを確認する。

2
言葉について

2回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

日本語や英語といった自然言語は、古くから使われ変化し、現在の形になっている。人は、それら自然言語を使って、自分自身の感情や考え、また、自分が観察している状況を他の人に伝える。他人に伝えるためには、双方で共通に認識できているルールが存在しなければならない。ここでは、自分が観察している状況を、どのようなルールで伝えているのか、英語や日本語のケースで学修する。

3
人に考えを言葉で伝える

3回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

現実の観察できる様子を、文章というデータにする場合においても、人により、表現の仕方が異なる。分かりやすい、他の人に間違いなく伝えることのできる文章とは、どういうものであるだろうか。誤解の生じにくい文章の書き方について学修する。

4
言いたいことは何?

4回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

観察できる現実の様子をくまなく、文章として描写しようとすると、大変な量になってしまう。それを文章にするのにも、読むのにも時間がかかってしまう。そこで、私たちは、無意識のうちに、他の人に伝えるために内容を取捨選択してデータ量を落としている。ここでは、物事の重要性がどのように、文章に反映されているかを確認する。

5
インタビューと書き起こし

5回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

文章データを入手する一つの方法としてインタビューがある。ここでは、インタビューの方法、考慮点について学修する。また、インタビューの音声データをテキストデータに書き起こすことによってクリーニングについて理解する。

6
GTA、KJ法

6回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

先人は、質的データ(文章データ)を科学的に分析する方法を検討してきた。そして編み出された方法論であるGTA(Grounded Theory Approach)とKJ法を確認し、なぜ、そのような手順になっているかを学修する。

7
テキストマイニングの基礎 Ⅰ

7回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

質的データを分析する方法の一つとして、テキストマイニングがある。ここでは、テキストマイニングの実施方法と、考え方について学修する。

8
演習 (Python)

8回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

テキストマイニングをPythonを利用して実際に実行する。この回では、データのクリーニング、形態素解析、頻出リストの確認を行い、そこから何が分かるかを確認する。

9
演習 (Python)

9回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

Pythonによるテキストマイニングを実施する。この回では、強制抽出語、禁止用語の意味について確認し、共起ネットワーク図や、階層型クラスター分析などを実施する。

10
演習

10回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

Pythonによるテキストマイニングの実施結果を用いて、データの中に潜む概念を抽出する。

11
演習 E-R図風の分析

11回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

抽出され、整理された概念(群)をもとに、E-R(Entity Relationship)図、もしくは、クラス図を簡略化した図を作成する。

12
演習 状態遷移図風の分析

12回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

抽出され、整理された概念(群)をもとに、状態遷移図、もしくは、状態機械図を簡略化した図を作成する。

13
演習 フローチャート風の分析

13回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

抽出され、整理された概念(群)をもとに、フローチャート、もしくは、アクティビティ図を簡略化した図を作成する。

14
演習2 自転車乗り方マニュアルを作る

14回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

多くの人が自転車に乗っているが、自転車の乗り方マニュアルを作成することは難しい。この回では、複数の人の文章データをもとにテキストマイニングを用いて、自転車の乗り方マニュアルに含めるべき項目を整理する。

15
まとめ

15回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

この回では、今まで学んできた内容の全体をまとめるとともに、今後、どのようなことに利用できるかについて検討する。

16
複雑システム Ⅰ

16回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

現代社会は複雑である。しかし、その複雑さは、シンプルなルールが多重化することによって発生している可能性がある。複雑と思われる社会現象について、マルチ・エージェント・シミュレーションを通じて学修する。

17
複雑システム Ⅱ

17回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

私たちが住む宇宙、生物の社会がどのような構造によってできているかを、小さい世界から大きな世界まで、高校までの知識をもとに、さっと復習する。

18
ツールのインストール

18回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

本ゼミで利用するマルチ・エージェント・シミュレーションのツールを導入する。

19
基本モデルを動かす 花火モデル

19回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

マルチ・エージェント・シミュレーションを用いて、基本モデル、花火モデルを作成し、実行する。

20
立ち止まりモデル

20回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

他のエージェントの状態を観察し、自己の行動を決定するモデルを作成し、実行する。

21
セルラーオートマトン

21回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

セルラーオートマトンの概念を理解し、それがどのような示唆を与えているのかについて学修する。

22
セルラーオートマトンの実装

22回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

前回学んだセルラーオートマトンをプログラム化し、実装する。

23
シェリングの分居モデル

23回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

シェリングの分居モデルを学修し、それをプログラミングして実装する。

24
コンウェイのライフゲームを作る

24回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

コンウェイのライフゲームについて学修し、プログラミングして実装する。

25
羊、狼、草モデルを作る

25回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

羊、狼、草モデルのルールを確認し、プログラミングして実装する。

26
ボイドアルゴリズムを理解する

26回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

群れはどのようにしてできるのか、それはどのように再現することができるのかを検討する。

27
レイノルズのボイドモデルを作る

27回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

ボイドアルゴリズムを用いて、プログラミングを行い、鳥の群れを再現する。

28
自分でモデルを作成する 前半

28回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

学修してきた内容をもとに、自分自身のオリジナルなモデルを構想し、設計を行う。

29
自分でモデルを作成する 後半

29回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

前回に設計したモデルをもとに実装し、実行する。

30
まとめ

30回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

私たちの住む世界と、学修してきたエージェントシミュレーションの共通点を理解し、この技術が世の中でどのように活用されているのかを議論する。

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