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科目の概要

位相空間論は現代の数学を記述するための基本的な言語であり、多様体やトポロジーを学ぶ上で基礎となるものである。位相空間と連続写像の定義から始めて、集合論的な操作により位相空間を構成する方法を学んだ後、分離公理・コンパクト性・連結性といった、位相空間の性質について学ぶ。

科目情報

履修想定年次
3年次
単位数
2単位
開講Q
2Q、4Q
科目区分
選択
授業の方法
オンデマンド科目
評価方法
確認レポート 50% , 単位認定試験 50%
科目コード
MTH-3-C1-0204-002
到達目標
位相空間が距離空間の一般化であることを理解する。位相空間や連続写像が様々な方法で定義できることを理解する。集合論的操作によって新たな位相空間を構成する方法を理解する。コンパクト空間や連結空間の基本的な性質を理解する。
教科書・参考書
  • 【教科書】オリジナル教材【参考書】集合と位相(内田伏一/裳華房)2020、「集合と位相」をなぜ学ぶのか(藤田博司/技術評論社)2018
授業時間外の学修
各回の授業内容は繰り返し見返し、各回二時間ほど復習を行ってください。また、次回の学修内容についてもあらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebで調べるなどして各回三時間ほど予習を行ってください。
特記事項
順次公開予定

授業計画

1
位相空間論とは

位相空間論が現代数学のどのような場面に現れるのかを理解する。

2
距離空間と連続写像

距離空間と連続写像について、その定義を別の方法で述べ直す。

3
距離空間における位相的概念

以降の授業で扱う位相空間の性質を、距離空間の場合を例に説明する。

4
位相空間の定義

位相空間のいくつかの定義を導入し、それらがすべて同値であることを見る。

5
距離位相 / 位相空間の部分集合

距離空間から位相空間を作る方法を学ぶ。また、位相空間の部分集合の内部・閉包・境界・外部などの基本的な要素を学修する。

6
位相の生成と(準)開基・可算性

部分集合族から開集合系を作り出す操作である生成と、そのもととなる開基について理解する。また位相空間の可算性を表す性質として、可算公理や可分性について理解する。

7
連続写像と同相写像

連続写像が様々な同値な定義を持つことを理解する。また、位相空間を同一視する方法である同相写像について学ぶ。

8
部分空間と相対位相

位相空間の部分集合を自然に位相空間とみなす方法について学び、その基本的な性質を理解する。

9
直積位相

位相空間の族の直積集合を自然に位相空間とみなす方法について学び、その基本的な性質を理解する。

10
商位相

位相空間の商集合を自然に位相空間とみなす方法を学び、その基本的な性質を理解する。

11
分離公理

位相空間の開集合が豊富にあることを保証する分離公理について学ぶ。特に、ハウスドルフ空間について理解を深める。

12
コンパクト空間

位相空間論において非常に重要な地位を占めるコンパクト性について学ぶ。

13
コンパクトハウスドルフ空間

コンパクトハウスドルフ空間の重要な性質である、連続な全単射が同相写像になることについて学ぶ。

14
連結性と弧状連結性

空間がひとつにまとまっていることを表す(弧状)連結性について理解する。

15
完備距離空間

完備距離空間の位相的性質について理解する。特に、コンパクト性やベールの範疇定理について学ぶ。

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