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科目の概要

圏論の基本的な概念から現代数学への応用までを、数学的構造や構造と準同型の考え方についての具体的な例とともに学ぶ。まずは順序集合やモノイドを用いて圏と関手の理解を深め、自然変換、表現可能関手と米田の補題、普遍性、極限と余極限などを学んだ上で、関手と極限余極限の関係、随伴について学ぶ。最終的にはモナドと随伴、モナドの代数、カン拡張について理解を深め、圏論のさまざまな概念がカン拡張を通して理解できるという視点を提示する。さらに、モノイダル圏やモデル圏を通して、圏論的な概念が現代的な数学にどのように応用されるかを学ぶ。

科目情報

履修想定年次
3年次
単位数
2単位
開講Q
1Q、3Q
科目区分
選択
授業の方法
オンデマンド科目
評価方法
確認レポート 50% , 単位認定試験 50%
科目コード
MTH-3-C1-1030-004
到達目標
圏論を学ぶことで、多様な数学的構造とその間の対応を把握し、それらを用いて複雑な問題を分析する能力が身につく。また、普遍性や極限、随伴などの概念を用いて数学的な問題解決術を研鑽する。これにより、様々な視点から物事を客観的に分析し、独自の解を見つけ出す力が養われる。これらの知識と技術は、新たな解決策を見つけ出すための基盤となる。
教科書・参考書
  • 【教科書】オリジナル教材【参考書】CategoryTheoryinContext(E.Riehl/Dover)2016
授業時間外の学修
各回の授業内容は繰り返し見返し、各回二時間ほど復習を行ってください。また、次回の学修内容についてもあらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebで調べるなどして各回三時間ほど予習を行ってください。
特記事項
順次公開予定

授業計画

1
ガイダンス

圏論の基本的な概念と数学的構造について探求し、構造と準同型の理解を深める。順序集合やモノイドの理論を学び、抽象的思考力を養うことを目指す。

2
圏と関手

圏の定義や例、対象の同型について理解を深める。さらに、関手の定義と例を学修する。

3
自然変換

自然変換の定義や例を学び、圏同値や可換図式の理解を深める。さらに、圏たちのなす圏についても修得することを目指す。

4
表現可能関手と米田の補題

表現可能関手の定義とその例を学び、理解を深める。さらに、米田の補題を学修し、その証明と応用を修得する。

5
普遍性

普遍性と普遍要素について理解を深める。具体的な普遍性の例を通じて学修しながら、要素の圏、コンマ圏といった概念も身につける。

6
極限と余極限

極限と余極限の定義や例を理解し、集合の圏における極限と余極限を学修する。

7
関手と極限余極限

関手による保存や表現可能性について学び、完備な圏と余完備な圏の理解を深める。さらに極限と余極限の関手性、その相互関係を探究する。

8
随伴

数学の随伴関手の定義や例を理解する。単位と余単位、カルテシアン閉圏の理解を深め、随伴の計算についても学修する。

9
随伴と極限余極限

極限の保存と圏の局所化について理解を深め、随伴関手定理の理論とその証明方法を学ぶ。さらに、随伴関手定理の応用も学修する。

10
モナドと随伴

モナドの基本的な定義から具体的な例までを学修する。さらに、随伴から定まるモナドやモナドの代数、モナドの自由代数についても深く理解する。豊富な知識を身につけて、モナドと随伴の理論を極める。

11
モナドの代数

モナディック関手や表現論を通じて、モナドの代数とその応用を理解する。さらにベックの定理やその例を学び、代数の圏における極限の理論を身につける。

12
カン拡張

カン拡張の定義や例を理解する。また、カン拡張の計算公式と各点カン拡張、導来関手を通じてカン拡張の理論を深く修得する。

13
全ての概念はカン拡張である

極限とカン拡張、随伴とカン拡張、米田の補題とカン拡張、余米田の補題、モナドとカン拡張を学修し、全ての概念がカン拡張であるという視点を身につける。

14
モノイダル圏

モノイダル圏の定義から始め、対称モノイダル圏やコヒーレンスの概念、モノイダル関手の学修を進める。

15
モデル圏

単体的集合やモナドとホモロジー、ホモトピーを学び、モデル圏の定義とその具体例について理解する。これらの知識を通じて、モデル圏の理論を深く探求する。

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