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科目の概要

本格的な抽象代数学の基礎科目として、整数全体や多項式全体などのような足し算+と掛け算・の2つの演算がある代数系である「環」について学ぶ科目である。イデアル論や素元分解の一意性など、環論(特に可換環論)の初歩的事実について系統的に修得することを目的とする。本科目は演習科目に位置付けられ、学生の積極的な参加、問題演習への取り組みが求められる。

科目情報

履修想定年次
3年次
単位数
2単位
開講Q
3-4Q
科目区分
選択
授業の方法
演習科目
評価方法
レポート70% , グループワーク30%
科目コード
MTH-3-C3-0034-009
到達目標
● 環の概念について理解し、整数や多項式全体の一般化であることを体得する。 ● イデアルの概念について理解し、その計算方法を体得する。 ● 環上の加群について理解する。
教科書・参考書
  • 【参考書】ガロア理論12講(加藤文元/KADOKAWA)2022
授業時間外の学修
各回の学修内容について、あらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebなどで調べ、二時間ほど予習を行う。予習用に配られた資料がある場合、必ず目を通す。
特記事項
順次公開予定

授業計画

1
環とは何か?

1回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

環の概念を定義し、その具体例を通じて、可換環の基本的な考え方に慣れる。

2
環の性質

2回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

単元や整除関係など、普通の整数や多項式における基本的な演算が一般の環でもできることを学ぶ。

3
イデアルの考え方

3回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

イデアルの考え方を導入し、具体例による計算を通じて、その整除関係との関連性を体得する。

4
イデアルの演算

4回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

イデアルの演算を導入し、その環論的な意味について考察する。

5
単項イデアル整域

5回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

単項イデアル整域について基礎事項をまとめ、特にユークリッド整域との関係など抽象的な側面について理解を深める。

6
剰余環

6回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

可換環のイデアルによる剰余環の概念を導入し、その中での計算に慣れる。

7
素イデアルと極大イデアル

7回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

剰余環の性質を通じて素イデアルや極大イデアルを導入し、その基礎事項をまとめる。

8
環の準同型

8回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

環の準同型の計算から、環のより深い性質を明らかにする。

9
準同型定理

9回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

準同型定理を紹介し、剰余環の概念と合わせて環論のより深い側面を理解する。

10
中国式剰余定理

10回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

応用として中国式剰余定理を紹介し、その仕組みを理解する。

11
一意分解整域

11回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

素因数分解(の一意性)の一般化として素元分解を考え、それが可能である一般的状況を導入する。

12
環上の加群①

12回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

環上の加群を導入し、部分加群の性質について理解する。

13
環上の加群②

13回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

環上の加群および可換環上の代数の有限性条件について理解し、自由加群について理解する。

14
局所化

14回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

可換環の局所化について理解し、その例として整域の商体について理解する。

15
まとめ

15回開講日時:
2099年4月1日(水) 00時00分より

環の概念からイデアル、剰余環、環上の加群といった概念を通じて抽象的なレベルでのさまざまな計算を概観する。

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