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科目の概要

本講義では、首相秘書官や関係者など政権中枢に近い人々をゲストに招き、「なま」の声をもとに戦後日本の「オーラル・ヒストリー」を描いていく。 敗戦後の民主化への努力、平和主義と日米同盟、高度経済成長とその歪み、バブルの崩壊と低成長といった、度重なる「板挟み」において、当時の日本のリーダーたちはどのような観点から、どのように「決断」をしたのだろうか。本講義では、消費税を導入したことで知られる竹下登政権から、戦後最長期政権となった安倍晋三政権までを扱う。

科目情報

履修想定年次
3年次
単位数
2単位
開講Q
2Q、4Q
科目区分
選択
授業の方法
オンデマンド科目
評価方法
確認レポート 50% , 単位認定試験 50%
科目コード
SOC-3-C1-0204-002
到達目標
この授業を通じて、戦後の日本政治を、さまざまな「決断」の連続として捉え直すことができる。具体的には、政権運営の「なま」の声を聞き、複数の選択肢とジレンマの中で、リーダーたちがどのような選択をおこなってきたのかを知ることで、戦後日本の軌跡を多角的に検討する視点を身につけることができる。
教科書・参考書
  • 【教科書】オリジナル教材【参考書】『もういちど読む山川日本戦後史』(老川慶喜/山川出版社、2016年)、『戦後政治史(第4版)』(石川真澄・山口二郎/岩波新書、2021年)
授業時間外の学修
各回の講義内容は繰り返し見返し、各回二時間ほど復習を行ってください。また、次回の学習内容についてもあらかじめ不明な単語や前提となる知識をWebで調べるなどして各回二時間ほど予習を行ってください。
特記事項
順次公開予定

授業計画

1
不確実性の中の現代日本史

授業全体のねらいと構成の説明、及び前提科目で扱った内容の再確認を行う。

2
竹下登:バブル経済の絶頂と昭和の終わり

竹下登政権について、消費税導入をめぐる政策過程を中心に論じる。

3
海部俊樹:冷戦の終結とグローバル化の始まり

海部俊樹政権を中心に政治改革に関する当時の議論を論じる。

4
宮澤喜一:バブル崩壊

宮澤喜一政権におけるバブル崩壊への対応とその影響を考える。

5
細川護煕:55年体制の崩壊とその原因

細川護煕政権による55年体制の崩壊について、その要因と影響を考える。

6
村山富市:戦後50年の総括

村山富市政権について、村山談話をめぐる制作過程を中心に論じる。

7
橋本龍太郎:自民党政権の復活と6大改革

橋本龍太郎政権について、6大改革の内容とその評価を考える。

8
小泉純一郎: 「小泉旋風」

小泉純一郎政権について、郵政民営化を中心に、その人気の背景を考える。

9
福田康夫: アジア外交

福田康夫政権を中心に、当時の東アジア諸国との外交問題への対応と現在への影響を考える。

10
麻生太郎:リーマン・ショックの衝撃

世界金融危機の影響と、麻生太郎政権における対応について論じる。

11
鳩山由紀夫:政権交代

鳩山由紀夫政権による政権交代について、その背景と影響について論じる。

12
菅直人:東日本大震災と福島原発事故

菅直人政権における東日本大震災と福島第一原発事故の対応について考える。

13
安倍晋三(1): 歴代最長期政権の誕生

安倍晋三政権における主要政策について、アベノミクスを中心に論じる。

14
安倍晋三(2): 歴代最長期政権の誕生

安倍晋三政権の課題とその後の影響について考える。

15
現代日本の決断から何を学ぶか?

本講義をまとめ、戦後日本史から現代の私たちが何を学ぶことができるのかを考える。

関連科目